国王チャールズ三世 King Charles III(上演終了)

国王チャールズ三世 King Charles III(上演終了)

マニア向け
国王チャールズ三世 King Charles III(上演終了)
国王チャールズ三世 King Charles III(上演終了)

舞台は英国王室。政治にはあまり口を挟まず政府との調和を保ってきたエリザベス女王だったが、彼女の逝去後、 王座に即位したチャールズ三世は、長年続いた「王座についた暁には…」という想いが過ぎてか、時代錯誤の傾向がある様だ。ついつい政治に口を出してしまい、議会を通った報道規制法の承認に反対して、そこから政府との摩擦が起き問題が勃発してしまう。チャールズ三世と真っ向から対立する首相、チャールズ三世に入れ知恵する野党の代表、事態収拾に奔走する長男ウィリアム王子と妻キャサリン、英国に批判的な一般人の若い娘と恋に落ちてスキャンダルを巻き起こす二男のヘンリー王子などが描かれていく。

作品レビュー

ストレートプレイだが、劇中に流れる音楽は二人のミュージシャンが担う。装置の転換などはなく、椅子やテーブルが出演者によって動かされるシンプルでミニマリズム的な舞台セットはなかなか雰囲気が出ている。俳優も素晴らしくうまい人達が揃っている。

イギリスのチャールズ皇太子が王様になった時、イギリスはどうなる?という風刺劇だが、長男ウイリアム皇太子の弟ヘンリー王子のガールフレンドが厳粛な雰囲気の王室内で汚い言葉を連発することをクールと感じるなど、全員が平民のアメリカではあまりピンと来ない。 主人公たちを惑わす故ダイアナ妃の亡霊の登場も、面白いが「だから?」みたいな。

憲君主制国家の内面を垣間見る面白さはあるが、王国制度やチャールズやヘンリーに今一興味が涌かない。ただ、ニューヨークにおける評判は随分といいようだ。その評価は、登場人物たちの独白や台詞の詩的リズム感の良さなどのシェイクスピア劇を意識したつくりかもしれないし、そんな英国仕立ての巧妙で考え抜かれた台詞かもしれない。そして、たぶん私たち日本人が想像する以上に、アメリカ人は英国に興味があるのだろう。または、ヨーロッパ人男性特有の英語のアクセントを聴くだけで、メロメロになるアメリカ人女性が多いので、多少イギリスへの劣等感もあったりするかもしれない。ちなみに、アメリカ人女性とヨーロッパの男性が仲良くなることは多いが、大体続かない。元々アメリカに移民して来たのは男性が圧倒的に多く、開拓時代でも続けて「貴重な女性を大切に」という感覚が強かった。その後の女性解放運動もあり、そういうアメリカ人女性とうまくやっていける外国の男性は少なく、アメリカでの国際結婚は圧倒的に「男性がアメリカ人」というケースが多い。話しを本題に戻すが、チャールズ皇太子の似顔絵の口にバツ(×)マークを入れ、王室は黙っていろと示唆するポスターや、チャールズ三世が半ば強制的に退位させられることで事態が収まり、長男のウィリアムの戴冠式のクライマックスなどがあるこの作品が、英国で上演可能となったということは、イギリス王室の許容度を表しているのだろう。日本の皇室を舞台にしたこういう類の戯曲があったとすれば、小劇場で上演可能かもしれないが、大々的に上演するの)は難しいのではないだろうか。

メディア評

NY Times: 8
Wall Street Journal : 2
Variety: 8

Music Box Theatre
239 West 45th Street
New York, New York 10036

尺:2時間30分(15分の休憩含む)

舞台セット ★★★★☆
音楽 ★★★★☆
衣装 ★★★☆☆
照明 ★★★★☆
総合 ★★★☆☆

Photo©Joan Marcus

Photo©Joan Marcus

Photo©Joan Marcus

Photo©Joan Marcus

Photo©Joan Marcus

Lost Password