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キングコング KingKong

1933年の映画で世界中に反響を巻き起こして以来、1976年、2005年とリメイクの映画が作られ、日本でも1962年に『キングコング対ゴジラ』が制作されるなど、世界のキングコングへの思慕は深いものがある。今回は初めての舞台版で、2013年オーストラリアのメルボルンで初公開後、何度も創作チームの入れ替わりを経て予定より数年遅れて、やっとブロードウェイで開幕した。

マザー・オブ・ザ・メイド Mother of the Maid(乙女の母)

グレン・クローズと言えば、30年程前のヒット映画『危険な情事/Fatal Attraction』で演じたストーカー女の迫真の演技で、浮気の恐ろしさを世の男性に強烈に印象付けた女優として有名だ。そんな彼女が今回はオフ・ブロードウェイ上演中のストレートプレイ『マザー・オブ・ザ・メイド/Mother of the Maid』に主役としてジャンヌ・ダルクの母親を演じている。アカデミー賞に6回ノミネート、エミー賞を3回受賞、トニー主演女優賞も3回受賞している大女優の71歳にして脂が乗りに乗っている演技を、客席数が275という小劇場で間近に楽しめる。

ザ・フェリーマン The Ferryman

この秋より「ザ・フェリーマン」がブロードウェイで上演されている。2017年春、英国ロイヤル・コート劇場でチケット完売記録を更新し、翌年にローレンス・オリヴィエ・アワードで作品賞、主演女優賞、演出賞を受賞。そしてウエスト・エンドのギールグッド劇場で3回の延長公演を経て、漸くアメリカでの公開となった。 表題のフェリーマンとは船を漕ぐ人のこと。だがここでは、ギリシヤ神話に登場するフェリーマン、つまりあの世とこの世を隔てる川で、渡り船を漕ぐ船頭を想像して欲しい。

昼寝 The Nap

『The Nap』(意味:Napとは、「昼寝」という意味も持つが、ここではスヌーカーのテーブルの上に敷かれている緑の布のことを指す。) スヌーカー(英国版のビリヤードの様なもの) の若手スターが犯罪に巻き込まれていく様子をスリリングに描いたコメディー作品。

トーチソング Torch Song(失恋を扱った感傷的な歌の意)

作者はアメリカン・シアターの殿堂入りも果たしたハーヴェイ・ファイアスタイン。かの有名なミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール/La Cage aux Folles』(1984)でも脚本賞を受賞し、同じくミュージカル『ヘアスプレー』(2003)では 主演男優賞を受賞。ちなみに ミュージカル作品賞を受賞した『キンキー・ブーツ』(2013)でも脚本賞にノミネートされている。日本では映画『ミセス・ダウト/ Mrs. Doubtfire』(1993)で、主役を演じるロビン・ウィリアムの女装を手伝うお兄さん役で彼を覚えている人もいるだろう。他にも映画『インデペンデンス・デイ』(1996)など数多くに脇役として出演して高く評価されている。ちゃきちゃきのニューヨーカーでブルックリン育ちのユダヤ人の彼は、昔はコメディアン芸人やキャバレーで女装をして歌いながら生活費を稼いでいた。ゲイへの差別が厳しい時代から...[Read More]

ベルナール / ハムレット Bernhardt/Hamlet

フランスの大女優サラ・ベルナール/Sarah Bernhardtが、シェークスピアの『ハムレット』のタイトルロールに挑戦する背景にあったその苦悩と強い意志を描いた作品。サラ・ベルナールはフランスで生まれ、1800年代の後半に世界5大陸を股にかけて活躍したユダヤ系の実存した大女優だ。舞台は1899年。フランスのサラ・ベルナール自ら運営している劇団で『ハムレット』のリハーサルが行われている。当時55歳のサラは、21歳の男子ハムレットを演じることを決心したのだ。

スモーキー・ジョーズ・カフェ Smokey Joe’s Cafe

ミュージカル・レビュー作品としてブロードウェイ史上で最長ロングラン記録を持つのが『スモーキー・ジョーズ・カフェ』。名曲「スタンド・バイ・ミー」や「ハウンドドッグ」などを世に送り出した作詞・作曲家コンビのリーバー&ストーラーによる歌の数々が披露される同作品がこの夏、ニューヨークに帰ってきた。今回はブロードウェイではなく、オフ・ブロードウェイでのリバイバルだ。

プリティ・ウーマン Pretty Woman

例年のブロードウェイでは新しくオープンする作品が少ないこの時期だが、期待の募る大作が幕を開けた。1990年の大ヒット映画をミュージカル化した『プリティ・ウーマン』だ。原作映画では、当時売れっ子だったリチャード・ギアの魅力と、無名のジュリア・ロバーツ)が創り上げた売春婦ヴィヴィアンのキャラが化学反応をおこし、単純なシンデレラ・ストーリーが人々の心を虜にした。世界的に高収益を上げた映画の舞台化とだけあって、客席は地方からの観光客らしい中年層の女性で溢れかえっていた。

異性愛者の白人男性 Straight White Man

2014年にオフで初演された芝居だが、今回はリバイバルでオンでの上演。冒頭で照明が暗くなると、メッキテープのカーテンの前に男性とも女性ともつかない二人が出てきて、トランスジェンダーについて短く話し、本編に入っていくという不思議で挑戦的な始まりだ。この二人は、実際にLGBTコミュニティの中では名前が通っている活動家の壮年の白人Kate Bornsteinと、若いインディアン系アメリカ人のミュージシャンのTy Defoeである。 本編の末っ子役には映画『Call Me By Your Name/君の名前で僕を呼んで』のハンサムな同性愛者オリヴァー役を演じたことで知られるアーミー・ハマーがキャスティングされ、彼が客寄せになっていることは間違いないだろう。

ビー・モア・チル Be More Chill

心に傷を抱えた高校生の青春物語で、そのストーリー、作品や音楽のスタイルなどは同じくオフ・ブロードウェイからブロードウェイに移って見事トニー賞を受賞したミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』と似ている点が多々ある。振付けは日本でもお馴染みのミュージカル『ノートルダムの鐘』ディズニー版のチェイス・ブロックが担っている。

スキンタイト SKINTIGHT

この夏、オフ・ブロードウェイで注目を集めるストレートプレイが『スキンタイト』。ミュージカル『レント』や『ウィキッド』の初演キャストとして圧倒的な歌唱力を披露し、映画『アナと雪の女王』のエルサの声を担当したことでも知られるイディナ・メンゼルが主演する新作戯曲だ。大ヒット曲「レット・イット・ゴー ~ありのままで~」で世界的に知名度を高めた歌姫の彼女が、ミュージカルではなく演劇作品に出演するという珍しい機会だけに、自ずと関心が高まった。

晴れた日に永遠が見える On a Clear Day You Can See Forever

日本でも上演されたことのあるミュージカル『晴れた日に永遠が見える』について、米演劇関係者の多くが「音楽は素晴らしいのに…」と口籠る。バーバラ・ストライサンド主演による映画版もあり知名度の高い同作品だが、1965年の初演も含めて、これまでヒットしたことがない。そんな曰く付きのミュージカルが規模を縮小した上でオフ・ブロードウェイの小劇場に登場、夏の注目作となった。

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