John Lithgow: Stories By Heart

John Lithgow: Stories By Heart

家族でエンジョイ
John Lithgow: Stories By Heart
John Lithgow: Stories By Heart

ジョン・リスゴーの一人芝居で、3つの物語で構成されており、昔の短編小説の名作2編と、 リスゴー自身が書いた父親との想い出話が披露される。

あらすじ&コメント

リスゴーはトニー賞を2回、エミー賞を6回、ゴールデングローブ賞を2回、全米映画俳優組合賞を3回、アメリカ・コメディー賞を1回、そしてドラマ・デスク賞を4回受賞している。さらには、アカデミ賞に2回とグラミー賞に4回ノミネートされたことがあり、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの星を受け、アメリカン・シアターの殿堂入りも果たしている。それもあり、リスゴーが舞台に登場すると、観客は大きな拍手で彼を迎える。

ステージには昔風の深く座れるどっしりとした椅子と、端に置かれた小さいテーブルがあり、そのテーブルの上には、厚い本が置いてある。その厚い本は、リスゴーが子供の頃に父親が芝居も混じえて読んでくれた短編小説が、ぎっしりと収められた本そのものだった。

「父親がいなかったら、僕は俳優にはなっていなかっただろう・・・」家庭は貧乏だったのにも関わらず明るい母親のおかげで、リスゴーはそれに気がつくこともなかったという。そして、「リング・ラードナーの短編に僕は夢中になった。特に『散髪の間に』は・・」と語り始める。

リスゴーの話術はすごいが、短編小説の『散髪の間に』を長々と演技や効果音を入れて彼が再現するので、元々の作品の歯切れ良さがなくなっている。床屋の役作りは上手いが、お客役やハサミなしのパントマイムで描く散髪のシーンは、マルセル・マルソーや、「新しい時代のピエロ」と呼ばれるビル・アーウィンには到底敵わない。

第二幕ではリスゴーの父親が歳をとり病で手術をして家に戻ってきた後、急に生気を失い、笑うことさえ忘れてしまったという話が軸になっている。当時、すでに俳優として成功していたリスゴーは両親の家に見舞いに行くが、顔からは微笑みが消え、1日中横になって一気に老け込んだ父親を目の当たりにする。リスゴーは昔、父親が自分に読んでくれた短編小説のことを想い出し、笑い転げた記憶のあるその『天翔けるフレッド叔父さん』の物語を、今度は彼が年老いた父親に読んで聞かせる。父親はリスゴーの語るフレッド叔父さんの話を聞くうちに、少しづつ笑い始め、最後には涙を流して笑い転げていた。その時、父親の中で変化が起こる。その日から父親の顔には明るさが戻り、以前の様に得意の冗談を言うようになる。その後元気に残りの数年を過ごしたそうだ。

一番リスゴーが輝いていた場面は、この2幕の彼自身が書いた父親との想い出話のくだりだ。リスゴーの老いた父親への溢れんばかりの愛情と感謝の気持ちが、その表現力と絶妙な間の取り方によってひしひしと伝えられ、感動する。

ユーモアに富んだ作品で名声を馳せた P・G・ウッドハウスによる『天翔けるフレッド叔父さん』)。

が、P・G・ウッドハウスは1881年に生まれたイギリスの作家で、アメリカで今は使われない言い回しや言葉が次から次へと出てくるので、話の設定が良く理解できないまま進んでいく。その上、キャラクターが今では耳にしないような名前ばかりで、第一、それが名前だとわかるだけでも時間がかかる。私の知り合いのアメリカ生活が長い日本人もこの部分で爆睡したそうなので、イギリス英語や文化によほど自信のない方にはお勧めできない。ただし、ブロードウェイに足を運ぶアメリカ人観客の知識レベルは高いのか、周りは皆楽しそうに笑っていた。

閉演 3月4日2018年

メディア評

NY Times : 8
Wall Street : 9
Variety : 7

American Airlines Theater
227 W. 42nd St.

公演時間:2時間 (15分の休憩)

舞台セット ★★★☆☆
衣装 ★★★☆☆
照明 ★★★☆☆
総合 ★★★☆☆

photo by Joan Marcus

photo by Joan Marcus

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